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久々に本の感想を。
つっても、写真集。しかも町田康。
ええそうです。グサッと来るのは町田康ばっかりです。
最新猫写真集。
見た事ある写真がいくつかありましたが、堪能しました。
町田康(や奥さん)の撮る写真は、かわいく撮ろうとかゆう意図はほとんどなく、そのまま。彼らと暮らす中で町田夫婦が見てる姿をダイレクトに写真におさめてます。
だからよくある猫本の様に、読者に「やばーい猫かわいいーー」とかいう感情はほぼなし。
ただそこにいるのは同居人にとって愛おしい同居猫。
そこが凄いリアルなんです。
彼らは商品でも何でもない、ただ共に暮らしてる。気が向けば旅にでも出かけるんじゃないかっていうくらいの気楽さがあります。
この目線、流石町田夫婦といった感じです。
そして今回のこの写真集でグッさーと心に来ました、最後のエッセイ?小説?
町田康の本を読んだことがある方は分かると思いますが、始めは普通のエッセイなんかと思いきや、いきなり町田ワールドに連れて行かれます。
出た出た、と思って読み進めて行くとこれがまた。ただの町田ワールドではない。
猫(この本の表紙でもあるココア。享年22歳他、猫たち)と人間(町田康)の立場が逆になるという設定で、最後には人間の動物に対する愚かな姿勢をガッツリ読み手に突き付けるというか。
町田康の世界観が苦手な方はどう思うか分かりませんが、私はこの本を声高らかにおすすめしたいです。
従来の猫本とは一線を画してると思うので、普段猫本を読まれる方にも是非読んでほしいです。